岡山県の山奥に、僕の父親方の田舎がある。
その地域は、父親の親族がたくさん住んでいるんだけど、その中で小さい頃見た光景が忘れられない。
小学生の頃だったと思うけど、僕がそれまでの見てきた女の人の中で、一番きれいな(というか妖しく艶かしい)女の人が、そこにはいた。
ただ単にきれいだというだけでなくて、当時は子供だった僕がよくわからなかった世界、とても性的な、みてはいけないような、大人の世界を感じさせる瞳と、少し着崩れた洋服、そして男を引き込むような舌足らずの喋り方とエロチックな口元だった。
親戚のおじさんは、「あれは痴女だから近づくな」と僕に言っていた。
「痴女って何?」
「痴女というのは、男を狂わす魔物の女のことだ」
「…」
後から父親に聞いた話によると、あの人は僕の遠い親戚にあたる人で、生まれた時頃から少し頭の方が、よわかったらしい。
それでも暴れたりすることもなく、ただ普通の少し知恵の発達が遅れた障害児というようなことだったらしい。
でもその生涯には別の方面の副作用みたいなものがあったようだった。
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とにかく3歳ぐらいから、そんな年齢であるにもかかわらず男を狂わすようなそんな性的な魅力があったと言う。
実際に、そんな幼女に対して性的ないたずらをする大人もこの田舎には数多くいたらしく、一番有名なのはなんと駐在の警察官が性的ないたずらをしてしまったことだそうだった。
年齢が上がるにつれ、その怪しいなまめかしい魅力はいっそうその女の子の内側から発散されて、その子が歩くだけで、その歩いている姿を見るだけで、それを見て男は妙な気持ちになるという感じだったそうだ。
僕がその人を見たときには、広い農家の家の中で座敷牢のようなところで軟禁されているような生活をしていた。
僕はたまたま、その人がトイレに行く時に廊下ですれ違って軽く挨拶をした。
その時僕も、その瞳の中に吸い込まれてしまいそうなそんな魅力を感じた。
その人が今どうしてるのか僕を知らない。
父親に聞いたところ
「あの子の事は、もう忘れろ」
という一言だった。
でもあの痴女と呼ばれたあの人のことが、今でも僕の心の中にしっかりと刻まれている。
たった一回すれ違ったあの時のことを思い出して、今まで何十回オナニーをしたか覚えていないくらいだ・・・